目指せ!狩りガール
ありちゃん日記

Vol.5

「猟友」という新しい仲間

狩猟には欠かせない「猟友」

ありちゃん

2016年、初の獲物ゲットです!

実は年明けから3週間ほど、獲れない日々が続いていて、チームの先輩と「動物たちは、冬休みでハワイでも行っているんだね~」なんて冗談を言うほどだったので、初猟果はチーム全員で大喜び!
猟のあとの宴会での会話も弾みました。チームで獲ると誰が撃ってもうれしくて、チームの皆さんは今や家族のような存在で、宴会は親戚の集まりみたいです。
狩猟をはじめるまでは、ハンターさんたちってもっと寡黙でおっかない人たちなのかな、なんて勝手に思っていたことが、今となっては不思議な感じです。
そんなわけで今回は狩猟者になって出会うことができた「猟友」についてのお話をお届けします。

私の所属するチームは、地元のハンター+通いのハンターで合計15名ほど。

年齢は20代から80代で、狩りガールは2人います。通いの私は、猟場近くの駅から 先輩の車に乗せてもらっていますが、その途中の車内でも、先輩たちの気づきはすごい! 道路脇の落ち葉を見て「イノシシが掘り返した跡があるな」とか「ここのスジ(けもの道)は今年は全然通っていないな」とか、瞬時にたくさんの情報を得ています。うう、まだまだついていけない……。

先輩の車にて

猟の前の待ち時間も、わなで獲った獲物の話や、森の樹々を見ながら「ありちゃん、あれはヤドリギといってね……」とか、お話は尽きません。この雑談タイムが面白くて、とってもためになるんです。
時々、言葉使いや振る舞いを注意されたりしちゃうけど、それもありがたいこと。ハンターとしての修行だけでなく、人としても成長させてもらってます!

さて、いつも明るくて笑いの絶えないチームなのですが、猟がはじまるとピリリと空気が締まります。

猟の最中はあいまいなことを言ったり、分からないまま行動すると、獲物を逃がすだけでなく危険にもつながるので、はっきりと手短に伝えることが大切です。それゆえに無線ではテキパキと、ときにぶっきらぼうな会話が展開されていて、最初のころは「迫力があるなあ、会話に入っていけない……」なんて思っていたけれど、いまでは慣れて、会話もスムーズになりました。
「みんな口は悪いけど、腹はいい奴なんだ」と勢子のリーダー(実は20代のリーダー!)が言う通り。


そんなチームの交流の中で、実は猟以外にも楽しみが……それはみんなで食べるお弁当タイム!

猟のキリがよいときは、日なたの暖かい場所に集まってみんなでお弁当を食べます。何をかくそう、先輩たちのお弁当はいつも美味しそうなんです。

先輩のお弁当

食いしん坊の私が先輩のお弁当をじーっとのぞいていると「ありちゃん、鮭あげるよ、明太子もね」とおかずのおすそ分けが! わーい!! ここでは遠慮はしませんよ。あ、お弁当が豪華になった! デザートには自家製の干し柿もいただいて……満腹です。
こんなやりとりが、本当にうれしくて楽しいんです。

豪華になったあり弁当


お気に入りの「解体ナイフ」も、チームの先輩が作ってくれたお手製です。

柄の部分はシカの角でできていて、手によく馴染みます。これをいただいた時は「ああ、仲間に入れてもらえたんだなあ」と、とてもうれしかったな。研ぎ方だって、手取り足取り教えてもらいました。

ナイフ

「狩りガールがチームに入って、みんな元気になったよ」

男社会が当たり前だった狩猟の現場に、狩りガールを受け入れたチームの皆さん。いろいろと気苦労があったと思います。私の体力を心配してくれたり、猟師小屋に簡易トイレを付けてくれたりと、優しい心遣いには本当に感謝しています。


狩猟に興味がある! やってみたい! ……そんな声をよく聞きます。でも「先輩が見つかるかな」とか「チームに馴染めるかな」なんて心配も、ありますよね。そんな時は狩猟の見学をおススメします。開催していないところもあるかもしれませんが、私のチームでは、主に狩猟免許取得者の方に猟の見学から解体・宴会まで通しで参加してもらって、チームの雰囲気を味わってもらいます。自分に合った場所が見つかると、狩猟がますます楽しくなりますからね! 最近は女性の見学者も多くて、狩りガール仲間も増えそうなので、とっても楽しみです。

部活の仲間のように一緒に汗を流したり、家族のように同じ鍋を囲んだり……。
狩猟をはじめて一番の収穫は、この「猟友」の存在かもしれませんね。

これからもよろしくお願いします。(ぺこり)