no.13 猟銃所持許可への道。射撃教習を受けました。
				構えて、狙って、はじめての発砲!

ありです。やっとやっと、実際に銃を撃つ射撃教習を受けることができました!ここまで長い道のりでした。猟銃の所持許可に向けて警察署で「初心者講習」を受けて……え?そんな前のこと忘れた?なーんて方はぜひコチラを見てくださいね。今回のお話は教習を受ける少し前からはじまります。

申請から教習を受ける日までが長かった!!

ついに警察から連絡が来たんだよ〜♪

ありちゃん!たいへん!何しでかしたの?

ち・が・い・ま・す!何も悪いことはしてないよ。ずっと前、「猟銃の所持許可」のために射撃実技試験の申請をしていたの。そのお返事がやっと来たのよ。

あー、えーと。ク〜ン、なんだっけ?

だよね。忘れちゃうくらい前の出来事だもん。ではここまでの流れを振り返るね!8月の終わり、「猟銃等講習会」を受講して試験を受けました(第5回参照)。

試験にクリアして、この「講習終了証明書」をもらったの。これらの書類を持ってすぐに警察に行き、射撃実技試験の申し込みをしました。

そうだったワン!

ありちゃんの「所持許可への道」が再び動き出しましたね。
銃刀法に基づいて、猟銃を所持するためには各都道府県の公安委員会から許可を得なければいけません。
そのために、
1)「猟銃等講習会(初心者講習)」で修了証明のための試験に合格することと、
2)射撃実技の技能検定に合格することが必要。
1をクリアしたありちゃんは、2を受けるための手続きをしていたのです。
手続きに必要な書類は以下の通りです。通常、窓口は各警察署の生活安全課。必要書類・申請料については各窓口で確認してください。

・教習資格認定申請書
・講習終了証明書(有効期限は交付日から3年間)
 ・経歴書(職歴と住所歴、猟銃等の所持歴、犯歴を書く)
 ・同居親族書
 ・診断書
 ・身分証明書
 ・住民票、戸籍抄本
・写真
・申請料(ありちゃんの場合 8,900円でした)

警察の窓口で申請すると、自分の性格についての質問もされた!服装もチェックされていたので、きちんとした印象の格好で行って良かったよ。

それが8月の終わりなんだよね?お返事が来たのが11月の中ごろ……。ずいぶんと時間がかかるんだワン。

その間、「この人に猟銃を持たせていいか」という審査もされていたんだよ。周囲の人に聞き込みをするそうで、ご近所さんの連絡先も聞かれたの。会社の上司にも電話が入って質問されたみたい。

へー!ボクに連絡が来たら「お肉くれる良い人です」って言ったのに。

アハハ、ありがと。そしてやっと「射撃教習の認定が出ました」と連絡があったのね。さっそく警察に認定証をもらいに行ってきたよ。教習を受ける射撃場への予約もしなくちゃ!とにかく猟銃を持つためには手続きがいっぱいあることがわかったわ。

はい、これはありちゃんだけ特別に許可までの時間が長引いたわけではなく、「射撃教習」のための申請をした皆さんがほぼ経験されること。申請した後に周辺調査が入り、手続きが済むと許可の連絡が来ます。恐らく一ヶ月以上は待つことになると思いますので、待つ期間を想定したスケジュールを組みましょう。
 
許可の連絡をもらったありちゃんは以下のように手続きを進めました。
 
・射撃場に射撃教習の旨を伝えて電話予約、射撃指導員の手配もお願いする
・日程等決定後、ふたたび警察へ出向き「教習資格認定証」と「猟銃用火薬類等譲受許可証」をもらう(警察での手続きに2,400円支払い)。※教習で借りる散弾銃の種類を聞かれるので射撃場に確認しておく。
・教習当日、教習費・実包代・射撃場利用料等 28,400円を射撃場に支払い。
 
 ※実包は実際に火薬が入っている装弾です。もちろん引き金を引けば弾が飛ぶので、取り扱いには細心の注意が必要。そのために許可証など厳しい決まりが設けられているんですね。
 ※実包は自分で購入します。今回ありちゃんは射撃場で購入しました。

「教習資格認定証」と「猟銃用火薬類等譲受許可証」

何はともあれ基本姿勢をしっかりと。

ありちゃんが射撃教習を受けた「大月クレー射撃場」

というわけで、手続きを済ませ、射撃教習を受けてきました。ここからはその模様を振り返ってみましょー。

ありちゃんが申し込んだのは山梨県の「大月クレー射撃場」です。

うん。地元の東京都には射撃場がないので山梨県へ行ってきました。大月は射撃教習が受けられる指定射撃場なのね。申し込みしてわかったんだけど、すべての射撃場で射撃教習を行っているわけではないんだって。

そっか。これから申し込む人は確認しないとね。紅葉した木に囲まれて気持ちのいい射撃場だったワン!

最初はキンチョーし過ぎて景色を楽しむ余裕はなかったけどね。前に見学した伊勢原の射撃場が屋内にも設備のある最新鋭の場所って感じだったけど、こちらは自然に囲まれた屋外の射撃場でした。

何か特別に持参した物はあるの?

警察でもらってきた「教習資格認定証」と「猟銃用火薬類等譲受許可証」でしょ。それと耳栓ね。今回、実包は射撃場で買ったので、特別に持参したのはそれくらいかな。射撃の反動が痛かったら困るから、肩にあてるためのタオルも持って行ったけど幸いそれほど痛みは感じなかったよ。

まず、控え室でオベンキョしてたね。

うん!先生は射撃指導員の相田さん。最初はテキストを使って散弾銃の基礎知識や取り扱いのポイントを教えてもらったよ。「銃を手にしたときに必ず実包が入っていないことを確認する」、「引き金に指を掛けない」など、安全の基本を確認しました。

しっかり読み込んでいたよね。

「銃口を人に向けない」といった当たり前のマナーも書いてあったけど、安全のためには何度も見て、基本を心に刷り込んでおくことが大切なんだなって思ったよ。

座学の後は実際に使う散弾銃を借りて模擬弾を入れ、猟銃を構える基本姿勢を習いました。射台に入って、構えて、引き金を引く、薬莢を出して銃口を確認する。なかなか動作が覚えられなくて。

ありちゃん、はじめのうちはガチガチだったから心配したワン。

自分でも心配した(笑)。でも相田先生が丁寧に何度も教えてくれたのでだんだん無理なく銃を持てるようになったかな。

「意識しなくても基本の動作ができるように何度も練習して」と相田先生。

「足のスタンス良し、肩の向き良し」って、自分で流れをひとつひとつ確認しながら一連の動作を繰り返したよ。

何度も練習していたから、あれだけで疲れちゃったらどーしよーって思ったワン。

最初は緊張で力が入りすぎちゃって、銃の上げ下げだけで疲れたよ〜。でも、きちんとした姿勢になると楽な気がした。頭じゃなく、体で動作を覚えていく感じかな。

ホント!だんだん格好良くなっていったよ。

ありちゃんをはじめ、ほとんどの方はこの射撃教習で初めて猟銃を手にします。実際に射撃場の射台に入ると緊張から基本姿勢を忘れてしまうので、身に付くように何度も練習してもらいました。実際に射撃をすると、遅発や不発といったトラブルもありますから、常に冷静な行動ができるように基本を体で覚えておくことは大切です。繰り返すうち、ありちゃんのフォームはとってもキレイになったんですよ。(指導員 相田さん)

はじめての射撃!さて試験の結果は?

そしていよいよ射撃場に移動して実技練習だね!

ついに撃ちました!さすがに初めの一発は反動と音にびっくりして「わー!」って言っちゃった(笑)。反動で肩が痛くなるって聞いていたからドキドキしていたんだけど、それほどでもなかったかな。

うん。一瞬ヨロッとなって目もパチクリしていたワン。

試射の後はいよいよクレー射撃の練習。準備できたら「ハイ!」って合図を出して、プーラーさんにクレー(皿)を放ってもらって撃つ。
※プーラーさん クレーを飛ばす機械の操作やスコアを付ける方

毎回フォームを直してもらってたよね?

うん。まず銃をかまえるときの立ち位置と目線の確認をしてもらって、10枚だけ最初に練習で撃ったんだよね。

最初だからはずしちゃうかと思ったら……

むふふー。最初に練習した10枚中、5枚も当たったの!

やったね!撃った後に何を聞かれていたの?

毎回「今のはどうだった?」と撃った感想を聞かれたよ。ちゃんと狙えて撃っているかの確認だね。でも、どう?と聞かれても、最初はクレーをちゃんと目で追っているのかわからなかった。まぐれなのかな?なーんて手を止めて考えていたら……

って、注意されちゃった。安全のための動作は止めちゃいけないんだね。ともかく基本の動作と安全のためのマナーを意識して集中したよ。

練習するうちに、ぎこちなかった動きがだんだん変わってきたもん。

全部で撃ったのが75発。50発練習して、最後の25発が試験でした。25発中2発がクレーに当たれば合格なのだ。ところがね〜。

最初は順調だったのにね〜。

銃の重さに腕が疲れてしまって、最後の方なんてもう構えるだけで精一杯だったよ。姿勢を保つのが難しかったな〜。でも何とか休憩を挟んでもらいつつ、がんばった!

ドゥルルルルル、ジャン!気になる結果は?

合格でした!!何とか当たった〜!

初めてにしては良い成績だよね?斜線が当たった印です。

おめでとう!!クレーが当たったときってどんな気分なの?

パリン!って当たった瞬間はとてもうれしかった。最初はクレーに照準を合わせる感覚がよくわからなかったんだよね。でも基本姿勢がキマったら何となく感覚がつかめて、気持ちと動きが連動できたような気がしたよ。慣れて落ち着くためにも、筋力を付けるためにも、もっと練習しなくちゃね。

まだはじまったばかりだもんね。これで合格したから、もう銃を持っていいの?

ううん、まだだよ。この後、手に入れたい銃を決めて、前にもらった「講習修了証明書」と今回もらった「教習修了証明書」、その他の書類も揃えて、やっと銃の所持許可を申請できるんだよ。まだまだ手続きに時間がかかるね〜。

せっかちさんだと銃を持てなかったりして?

どうだろうね(笑)。ともかく、ついに実包を撃ってまたひとつ新しい扉を開いた感じだよ。丁寧に教えてくれた先生には本当に感謝です!程よい緊張感の中で気持ちを集中できて、体も心も気持ち良かった!今後も楽しめそうだよ。

合格してうれしい!射撃場から記念のクレーをいただきました。

ありちゃん、おめでとう!自分のサイズに合った猟銃じゃないし、重くて大変だったでしょう。
通常、スポーツや趣味を始める時は、本格的に始める前に体験したり、友達の道具を借りたり、いろいろと試す機会があります。それができないのが「射撃」。始めるために試験を受けて、かなり手続きが進んだ段階で初めて「銃を撃ってみる」ことができます。
実際に銃を撃ってみて、もし「銃が重くてツライ」「反動がキツくて楽しめない」と思っても、ここまで手間と時間をかけた後では引き返すことは決断しづらいでしょう。
幸い、ありちゃんは楽しめたようで良かった!この基本を忘れないように練習するんだよ。
最後に、今回指導を担当してくれた相田さんのコメントを聞いてみましょう。
いやあ、丁寧な射撃指導は私も習いたいくらいでした!

基本をしっかり練習してくれたので、ありちゃんの動作はほぼ100点満点でした。途中から疲れて大変そうだったね。
彼女のように銃の重さで構えられなくなる人は少なくありません。射撃で使う筋肉は普段鍛えていないので、銃が手には入ったらぜひ基本動作を繰り返して練習してください。家でも構えて、模擬弾包を入れて引き金の加減を覚えて、銃に慣れると安心ですよ。
また、射撃場での練習も続けてください。慣れてリラックスすると、クレーの動きを予測できるようになり、自信がつきます。射撃連盟に入って射撃会に参加するのもおすすめ!女性の参加者も多いので色々と参考になりますよ。

相田誠治さん 東京都公安委員会射撃指導員。府中市クレー射撃連盟副会長として情報発信しています。http://fuchuclay.org/

取材協力/大月クレー射撃場(電話:0554-22-5023)


次回のありちゃんにはどんな出会いが待っているかな?お楽しみに!

次回14につづく!

                 

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